男性の皆様方は、例えば合コンで「どんな人がタイプ?」とか聞いて、「面白い人!」とか言われたみたり、「好きな芸能人は誰?」とか尋ねて、「○○(特に二枚目じゃない芸人)」とか言われたりしたことはないだろうか。
さらに最近では、芸人と女優の交際や結婚の報道は日常茶飯事であり、ますます世間は次のような言説を正しいものとして認識し始めている。
それはつまり、面白い話ができたりユーモアのある男性は女性に好かれるといった言説である。
しかしこれは、的外れな言説であり、この傾向はあくまで疑似相関的現象であることを以下に議論しようと思う。
女性はどんな男性に惹かれるのか
まず女性の男性の好みだが、これは一見様々で、年齢と共に変化し、大きな個人差があるように見える。小学生の頃であれば、明るく活発で、どんな人でも気さくに話かけるような生命力に溢れた男子に人気が集まる。
中高、大学生になると、個人差も顕れてくるが、良い意味でも悪い意味でも皆をまとめるような男子が、女子の注目を集めるようになる。
そして社会人になると、仕事ができる男性やできなくても偉そうな男性、ただ単に役職の高い男性が、女性の生殖対象として優位に立つ。
一見、女性の好みは年齢とともに変化しているように思える。しかし、小学生から社会人までの好かれる男性の共通点として、コミュニティの中心にいるような人物であると見いだせるはずだ。つまり、女性はそのコミュニティにおいて序列が高い男性に惹かれるということだ。
もちろん、容姿や知性や洗練されたファッションなど、女性に好かれる男性の要素は枚挙にいとまがないが、このような優れた要素を持つ男性がモテるのでなく、優れた要素により序列が高いからモテるのだ。我々は知っている、自身のない二枚目や頼りにならない勉強ができる奴はモテないことを。
このように、女性が生殖対象を選ぶ際に最も重きを置くのは、対象の序列である。女性は、同じコミュニティに属していない男性でさえ、その物腰や態度で男性の序列を敏感にかぎ取るのだ。
男性もそのことを十分に認識している。それは如何に男性が権力を志向しているかをみれば明らかだろう。
面白い男性はモテるのか
ではなぜ「面白い話ができたりユーモアのある男性は女性に好かれる」と皆が考えるのだろうか。まず一つ言えることは、女性は魅力を感じる男性の話は何でもおもしろく、楽しく感じるということがある。
男性であるあなたは、自信満々のつまらない二枚目と、仲間うちではおもしろいがパッとしない男と合コンに行ったことがあるだろうか?そこでは、次の場面に出くわすはずである。それは、二枚目の普通の話に、笑いはしゃぐ女性、そしておもしろい男の話に笑ってはいるがテンションの低い女性、という場面に。
更に我々は、メディアにも大いに影響を受けている。それは、芸能界における芸人の圧倒的な序列の高さである。
様々なバラエティ番組で、ホストの芸人にお伺いを立てるように俳優やアイドルが出演している。このような芸能界の動向により、我々は自然とおもしろい男性の序列を高く見積もるようになっているのである。この現象は、特に関西で顕著である。
とは言え、面白い人が女性に好かれる要素の一つであるという認識が間違っているわけではない。しかしこれも同様に、おもしろいということが、序列に大きな影響力がある場合に限られる。
女性は序列と権力に惹かれる
このように、女性が「面白い人が好きだ」などと言うのはまやかしで、実際はおもしろいことにより男性の序列が上がるから好きになるのである。そして、順位の高い男性と話すことが楽しいから、女性は「面白い人が好きだ」などと言うのである。つまり、女性は権力のある男性を生殖対象として選ぶのである。
巷の意見の分析
この「好きな男性のタイプ」と「パートナーに求める資質」は全く別モノであることに注意しよう。「好きな男性のタイプ」は純粋に惹かれる男性のタイプを指し、「パートナーに求める資質」では付き合っている間に自分を楽しませてくれる、自分の生活をより良くしてくれるなどが念頭に置かれているのだ。これはもはや好きな男性のタイプなどから遠く離れ、より良い生活を送るためにどんな道具(男)が欲しいかというレベルの話である。