知らないと恥をかく世界の大問題3 池上 彰 著

知らないと恥をかく世界の大問題3  角川SSC新書知らないと恥をかく世界の大問題3
角川SSC新書
(2012/05/10)
池上 彰
★★★☆☆
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池上氏による、激動の2012年を考えるためのレビュー本。世界の首脳陣が続々と交代し、変化していく世界。しかし、震災さえ日本の政治が変わる契機とはならなかった。



本作では、前2作にはなかった章であるプロローグが加わり、今後の趨勢に重要な出来事に絡めて、池上氏による取材時の実体験が語られる。

中心の話題は、北朝鮮やロシアで起こり、アメリカや中国でこれから起こる首脳陣の交代。

世界経済についても、アメリカの高失業率やEU経済など、熱い話題が多い。また、世界の足を引っ張りつづけるギリシャ国民が如何に形成されたか、その歴史をもって語られる。

日本政治については、震災によっても何も変わらず、消費税・年金・エネルギーなど問題は山積みのまま。

個人的に気になった意見、話題として:

●政治の「脱原発」における決断力の無さを示す
政治が「脱原発」の方針を打ち出したのではなく、時期が来たので運転を停止するという形で、「脱原発」の時期が到来しました。まことに日本的解決です。自ら決断せず、解決を先送りしているうちに追い込まれ、既成事実として受け入れる。それがまた、繰り返されているのです。(p.3)
という池上氏の視点。

●アメリカ経済のリスクとして、「第2のサブプライム危機を招く」ともいわれる学資ローンの問題
学資ローンは全米で約100兆で、失業率も高止まりしたまま。しかも、これらの債権の多くは、サブプライムローンと同様に証券化されている。
米労働局:米失業率 01/2004~04/2012】(注)Type of data: Percent or rate, Age: 16 years and over
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