世界財閥マップ―グローバル経済を動かすパワー総覧 平凡社新書 (2002/12) 久保 巌 ★★☆☆☆ 商品詳細を見る |
『世界財閥マップ―グローバル経済を動かすパワー総覧』は、経済を動かす世界の財閥についての久保巌による著作。各財閥の創業から歴史、現在の位置づけ、日本企業との関わりを記述。
世界各国の財閥が紹介されている珍しい(と私は思って手に取った)本。ロスチャイルド・ロックフェラーなどの伝統ある財閥から、化石燃料によって財をなしたアラブの王族やロシアの新興財閥、ITや流通でのし上ったIT富豪やウォルマートまで。
創業者やファミリーの人となりや立身伝、経済の視点から書かれたまっとうな本。
ロスチャイルドとか、途轍もなさそうだけど、実際の総資産はビルゲイツやウォルマートファミリーの方が上。でも、伝統的な財閥は、人脈や名声、社会的影響力など「見えざる資産」が存在するって。
豆知識として、
●あの富士通はもともとジーメンスと古河財閥の合弁会社が起源らしく、この合弁会社から富士電機やファナックも生まれたらしい。
●超巨大高級ブランド帝国LVMH。フランスを本国とするLVMHは、その傘下にルイ・ヴィトン、ヘネシー、クリスチャン・ディオール、ジバンシー・クチュール、タグ・ホイヤー、ショーメ、フェンディなどを持つ。
●アメリカの巨大穀物メジャー群は、主要穀物の世界シェア75%。これは、機軸通貨としてのドルや世界をリードする情報通信産業、卓越した軍事力以上のアメリカパワーの源泉。