どうかと思うが、面白い 著者:平山夢明 出版:扶桑社 発行:2011/06/03 評価:★★★★☆ Amazonで詳細を見る |
週間SPA!に連載された、お下劣な日常怪話73編(2008年1月15日号~2011年4月26日号掲載分から)。
著名なホラー小説家のエッセイですが、ホラー・オカルト的な怖い話は一編もなく、こんな面白い奴がいたとか、こんな珍妙なことがあったとかいう話です。またイラストは清野とおる氏で、イッてしまっているブラックな人々がそれはもうよく書けています。
全編パンチが利いていて緊張感もあるんですが、ダーティーかつ不謹慎の極みといった話題ばかりなので、どんなことでも笑いにしてしまうような人以外には、あまりお薦めできません。
清野とおる:漫画家、エッセイスト。シュールな展開で笑いを誘う不条理マンガで定評がある。【ウィキペディア:清野とおる】
以下では下品な記述もあるので注意。
内容と感想
内容としては、子供を見つけると一升瓶で殴りかかってくる街を徘徊するアル中の話とか、気が違った人がたくさん出てきます。また何というか、少年が大好物なダークブラウンな話題が多くて、コー○○とかチ○○とかウ○○の話のオンパレードです。平山先生は、この辺の話になると活き活きしてきます。
なかなかタメになる話もあります。今や国民病である「痔」になってしまったときの、医療機関で受ける半端ではない辱めの話とか、「妊婦にとって大変切実な〈分娩時のウ○○問題〉」とか、未来の心の準備にいいかもしれません。
文章や表現もなかなか気が利いています。バンコクにおける路線バスの車体がボコボコで運転が荒々しいのを見て、「如何にも〈百戦錬磨〉で〈跳ねるのはおまえが初めてじゃないぜ〉ってな感じ。」と表現したり、風俗嬢に入れ込んでいる女性経験がほとんどない友人に、「そんな兎がグリズリーにプロポースするようなことは止めろ!」と言ってみたり、不謹慎なのが気にならない人であれば、楽しめるはずです。
しかし、この本を読むにあたって気をつけねばならないことがあります。それは、公共のスペースでは読んではならないということです。私は主に電車の中で読んでいたのですが、顔のニヤニヤに気付かれ軽蔑の目を向けられること4回、吹き出して衆目を集めること3回と、散々な目に遭いました。
関連リンク
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