ムラサキ いろがさね裏源氏 柏木いづみ 著

ムラサキ いろがさね裏源氏
著者:柏木いづみ
出版:文春文庫
発行:2012/10/10
評価:★★☆☆☆
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柏木いづみ著の『ムラサキ いろがさね裏源氏』は、大企業の会長子息・ヒカルのセレブリティかつ官能的な波乱の人生を描いた官能大河小説『ヒカル いろがさね裏源氏』の続編。

災厄に見舞われた東京を離れ、ヒカルは明石道雄のいる札幌に身を寄せる。しかしそこでも、ヒカルの魅力が、明石の娘である女子高生・紫沙を惹きつけ、虜にしていた。そして紫沙は、ヒカルへの恋心を叶えるため、経験がなく恥ずかしさが先に立つ自分を変えようと、春を鬻ぐことを始めてしまう…。

あらすじ

札幌の女子高に通う16歳の明石紫沙は、時折見る淫らな夢に悩まされていた。その夢をみるたびに、背徳的な行為に耽る両親をうらみ、また恋い慕うヒカルを思う紫砂であった。

ヒカルは、災厄に見舞われた東京を離れ、札幌に身を寄せていた。札幌にはヒカルの父・魁太に恩があるという明石道雄がおり、道雄はヒカルの後見人として全面的なバックアップを約束していた。

道雄には月に一度、邸に招かれていたが、道雄は必ず中座。その後は道雄の妻・多佳子との行為に導かれるヒカルであった。

ある夏休みの一日、紫砂の姉である斎が帰省したこともあり、ヒカルも含めて明石一家で旅行することになる。

斎は、たちまちヒカルに惹きつけられ、経験豊富さゆえに恥じることなく、あけすけなアプローチを繰り返した。しかし、未だ男性経験のない紫砂には恥ずかしさばかりが先に立ち、それをどうすることもできなかった。

この出来事をきっかけに、紫砂は自身を変えようと春を鬻ぐことを始め、爛れた世界に堕ちていく・・・。

感想

本作もまた、前作同様に現実の人物をモデルにしたようなキャラクターが現れます。

特に、橋○市長をモデルにしたような札幌市長が出てくるんですが、実はこの人物はオ○ム真理教らしき新興宗教の手先で、投獄されている麻○彰晃をモデルとしたような人物に代わって、日本転覆を図る狂信的な政治家として描かれます。

もちろん本作はフィクションとして書かれているわけですが、ストーリーが何か安っぽい陰謀論みたいで、何バカバカしいことを言ってんだという気持ちを抑えることができませんでした。

さらに本作でもまた、「ハイジニーナ」が話の中心に鎮座しています。それはヒカルが、さもクリエイティブなことを思いついたかのように「札幌でそのエステサロンを開いたら絶対成功するよ」等と言い始め、周りの人間も「それは最高だねヒカル」みたいな感じで、その事業は進んでいきます。

しかし、それを読んでる私としては、んなもん流行るわけねえだろうがという思考が絶え間なく湧き上がり、白けてしまいました。

という、エキセントリックなんですが、安っぽさも激しく目に付く作品でした。

関連リンク

『ムラサキ いろがさね裏源氏』の本編

ヒカル いろがさね裏源氏
著者:柏木いづみ
出版:文春文庫
発行:2012/02/10
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