社会保障を巡る世代間闘争

世界保健機関(WHO)により発表された2012年の、子供・高齢者の人口の割合ランキング。15歳以下の人口の割合は、平均値は27%のところ、日本は13%で最も低い。60歳以上の人口の割合は、平均値は11%だが、日本は30%で最も高い。【子供(15歳以下)高齢者(60歳以上)の人口の割合ランキング・国別順位 - WHO世界保健統計2012年版:MEMORAVAより】



このような超高齢化社会に突入する日本は、労働力人口の減少がもたらす生産性の低下、経済規模の縮小および財政難が襲う。そして財務省は、12年度末に赤字国債が1000兆円に達すると試算している。巷では、消費税増税に騒いでいるが、むしろ「税金の先食い」という一面がある国債発行の方が害が大きい。【日本を滅ぼす超高齢社会(5)―税金の先食い:サーチナより】

また、日本の社会保障は高齢者に重きを置きすぎていて、それは他の先進諸国に比べても突出しているという。

2007年の社会支出規模を機能別に見ると、日本は「高齢」が47.6%と諸外国と比べて最も高く、「保健」も32.7%とアメリカについで高い。「家族」と「障害、業務災害、傷病」について見ると、前者では、イギリス、スウェーデン、フランスで10%を超える一方で、日本は4.1%にとどまる。後者では、スウェーデンが19.5%であり、イギリス、ドイツも10%を超えるなか、日本は5.0%にとどまっている。「失業」でも、ドイツが5%台、フランスも4%台であるなか、日本は1.6%と低い水準である。
日本を滅ぼす超高齢社会(10)―高齢者偏重の社会保障:サーチナより】
しかし、それほど高給付にするほど、高齢者は貧しくはない。

実際、世帯人員1人当たり平均所得金額は、「高齢者世帯」では 197.9万円、「児童のいる世帯」では 166.9万円。【日本を滅ぼす超高齢社会(12)―高齢者への偏見:サーチナより】

このような現状を変えようにも、65歳以上の有権者比率は3割に達している上、若い世代は選挙への興味が薄い。学者の間では、現役世代の投票にウエートを付けるなどの案があるらしいが、実現するとはとても思えない。【日本経済新聞2012年7月5日夕刊より】
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