銀行監督、ECBに一元化

欧州中央銀行(ECB)の画像

欧州委員会が、ユーロ圏の銀行を一括して規制する銀行監督一元化案を正式に発表。欧州中央銀行(ECB)に、金融政策を決定する理事会とは別の「監督理事会」を設置するという提案とのこと。監督業務は、公的資金の注入された銀行を13年1月から、大手銀行を同年7月に、14年1月からは域内の6000の全銀行を対象に行う計画。

ECBはこれにより、銀行に制裁金などを科す権限が認められ、銀行への強制的な立ち入り調査も可能になる。さらには、銀行の経営内容を調べる検査や、破綻を防ぐため経営への介入も行うほか、銀行免許を与えたり取り消したりする権限も与えられる。

銀行監督の一元化により、欧州安定メカニズム(ESM)が機能し、各国政府を経由せず域内の銀行に直接資本を注入出来るようになる。
日本経済新聞:2012/9/13Bloomberg:2012/09/13

注:欧州安定メカニズム(ESM)は、ユーロ導入国を対象として、信用不安などによる資金繰り悪化に対して、迅速な支援を実施するために創設された安定化の為の基金。【Klug:用語集



全世界的に中央銀行への権限集中が進んでいる。

米国における連邦準備制度(FRB)の監督対象は、銀行持ち株会社に限られていた。しかし金融危機を経た2010年に金融規制改革法が制定され、金融機関全体への監督権限が付与された。

ECBに参加していない英国においても、金融機関の監督を務めていた金融サービス機構(FSA)は2012年までに解体され、その機能はイングランド銀行に移管される。

対して日本では、金融庁が監督機能の強い権限を持つ。日本銀行も考査などを通して、影響力を行使しているものの規制という視点では、その権限は限定的。

しかし、日銀の金融市場への資金供給などを見ていると、その重要性や影響力は年々増しているように思える。

中央銀行の重要性や権限が高まりつつある現在、官庁とは異なる日銀を行政システムの中でどのように位置づけていくんだろうか、と思う。

そういえば、日銀出身の政治家とか見たことないけど、あれは何でなんだろう?
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